身体の仕組み~ローテーターカフ、棘上筋編~
こんにちは!田端しまうま整骨院の伊藤です。
前回までで三角筋、広背筋、大胸筋と3つの筋肉をご紹介しました!
肩にある三角筋はともかく、背中や胸にある筋肉も肩を動かす重要な筋肉だということがわかりましたね!
これら3つはいずれも体の表面に近いところにあるアウターマッスルで、体を動かすメインの筋肉になり外部からの衝撃を守る重要な役割があります。
表面に近いためしっかりトレーニングで鍛えれば外見が変わるので、肉体改造やマッチョになるために鍛える方が多いで筋肉ですね!
では体の深いところには筋肉はあるのでしょうか…?
もちろんありまして、体の深層には文字通りのインナーマッスルがあります。
これらは強力な力を発揮するのは苦手ですが、関節を固定する役割がありこれにより体を動かす際の細かい調整や、姿勢を保つような持久力に優れている筋肉です。
もちろん、これは肩関節にも存在し肩を知るうえで重要な筋肉は4つあり、総称して回旋腱板(ローテーターカフ)と呼ばれており、それぞれ棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という名前がついています。
今回はこの肩のインナーマッスルの4つの筋肉について詳しくご紹介していきます!
【棘上筋】
棘上筋は肩甲骨の上にある筋肉で、肩甲骨の内側から始まりそのまま外側へ向かい、上腕骨の外側についています。
収縮すると三角筋と共に腕を外側から大きく引っ張り上げる外転という動作をします。
この時、気をつけ姿勢から約30°までが棘上筋が強く働き、それ以降からは三角筋と連動して腕を上げていきます。
また肩の安定性を保つ筋肉として、4つのローテーターカフのなかでは機能上最も重要な筋肉ですが、同時に最も損傷しやすい筋肉でもあります。
上の図のように、棘上筋は肩甲骨と鎖骨が作るトンネルを通っていて、腕を上げたときにこのトンネルと上腕骨が挟まれることで炎症が起き、「インピンジメント症候群」や、四十肩・五十肩と俗称する「肩関節周囲炎」と呼ばれる症状を引き起こします。
症状が軽い初期のころは真横に腕を上げづらいといった程度ですが、重症化してしまうと腕が全然上げられなくなったり、寝ているときに痛みが強く出て眠れなってしまうこともあるのです…。
動作的な症状としては、手を腰の後ろにまわす動きや、髪を結ぶように頭の後ろに手をもっていく動作で肩に激痛が走ります。
野球の投球動作や水泳のようなスポーツの肩の使い過ぎによる摩耗や、逆に使わなさすぎによる筋力低下が引き起こすことが多いですが、手をついて転んでしまったなどの衝撃で急激に力が入ってしまうことで引き起こすケースもあります。
痛めて本来の力が発揮できないことで、肩関節の安定性が悪くなり他の筋肉に余計な負荷をかけて更にケガをしたり、ひどい場合ですと脱臼の原因にもなっちゃうのです…
そうなる前にこの棘上筋を鍛えて筋力低下を防いた上で日頃から動かす必要があるんですね!
なので、また簡単にできる筋トレをここでご紹介します。
・500mlの水入りペットボトルを手に持ちます。
・少しだけ肘を曲げ、肩を30°まで外に開きます。
・動かすときはゆっくりと、開くと閉じるを繰り返します。
・反対側の肩でも同じようにやります。
また、ゴムチューブをもっていればペットボトルの代わりに使うと効果は高いです。
大きな筋肉ではなく力も強くないため、この程度の負荷でも十分鍛えることはできます。
重要なのは日頃から棘上筋を意識して使うこと!
四十肩の予防もそうですが、既に症状が出ている方のリハビリとしてもかなり有効になります!
日常生活で不便にならないためにも、棘上筋の軽い運動を心がけていきましょう!
今回は肩の4つインナーマッスルのうちの1つ、棘上筋をみていきました。
目立つ筋肉ではないですが、その役割は肩にとって必要不可欠になります。
まさに縁の下の力持ちのような筋肉でしたね!
次回も引き続き、このローテーターカフを見ていきましょう!