身体の仕組み~関節の構造編~
こんにちは、田端しまうま整骨院の伊藤です。
前回は体を形づくる土台の骨について、主成分や機能などの基本のポイントをお話しさせていただきました!
ではそんな骨はどのような仕組みで動くのか、今回は運動するために必要な「関節」に注目してお話していきます!
関節とは、2本以上の骨の繋ぎ目で、立ったり座ったり、腕を伸ばして物を取る、しゃがむなど、日常生活において必要な運動すべてはこの関節が必要になってきます。
動く方向や大きさは関節によって異なり、それを超えて動かしてしまうと関節が痛くなってしまうのです…
まずは関節の構造を見ていきましょう。
基本的な関節の構造はこちらになります。
なにやら難しい名前がズラッと出てきましたが、ここで押さえておきたいポイントは、
・骨同士が関節をつくっている面を関節軟骨
・骨と骨をガッチリ結んで離れないようにとめている靭帯
・関節全体を覆い動きに応じてゆるんだり縮んだりする関節包
・関節包に覆われた関節内部を満たしている液状の滑液
の4つになります。
ではこれらが関節内でどのような役割をしているのかを詳しく見ていきましょう!
関節は凸形状をした関節頭と凹形状をした関節窩(かんせつか)がすっぽり嵌るような構造になっていてその全体を関節包で包まれています。
この凹凸が噛みあっている範囲で滑るように動くことができ、関節包はその動きに合わせて伸び縮みして関節を支えています。
靭帯は強力なバンドの役割をしていて、骨同士が離れないように繋ぎ関節を作っています。
靭帯もコラーゲンが主成分で、弾力があり関節の可動域を超え過ぎないようにストッパーとしても働きます。
また、足の捻挫を何回も繰り返すと足がゆるゆるになってしまう、といった話を聞いたことはありますでしょうか?
ゴムをイメージするとわかりやすいですが、伸び縮みをさせ続けるとゴムはビヨ~ンと伸びてそのまま戻らなくなってしまうのと同じ性質が靭帯にもあるので、捻挫をしたらすぐに治療しましょう!
嚙み合わせになっている部分は関節軟骨というコラーゲンに富んだ薄くツルツルした層に覆われており、関節が動く際に骨同士の摩擦を減らして骨への負荷がかからないような構造になっているんです!
前回少し出てきた関節軟骨ですが、関節においていかに重要な構造なのかがこれだけでもわかりますね!
ただコラーゲンに富んだ弾力性のある関節軟骨といっても、結局は骨ですので骨同士の衝突や摩擦を繰り返すとすぐに欠けたりすり減ってしまいます…
そこで関節軟骨を手助けしてくれているのが、滑液と呼ばれるヒアルロン酸を多く含むヌルヌルと粘り気のある液体で、骨の摩擦を最小限に軽減し関節の動きをより滑らかにしてくれるまさに強い味方なのです!
関節が摩擦によって痛くならないのはこの滑液が潤滑油として関節内で満たされているおかげなんですね!
しかし過度な使い過ぎやケガで関節包を損傷して滑液が外へ漏れ出たり、加齢により滑液の分泌量が減ってしまうと、役割を十分果たせず摩擦によって骨が変形してしまうのです…
皆さんも1度は聞いたことあるかもしれませんが、変形性関節症と言われるものがこれで、ヒアルロン酸を注射をすることで滑液の代わりとして補っているんですね。
関節は体のジョイント部分でどうしても体重や衝撃を受けやすい部分になります…
関節が動ける最大範囲を超えてしまったり、摩擦によるすり減りで骨が変形したりと痛みでお悩みな方は多くいらっしゃいます。
その予防として、関節の可動域を広げ関節にかかる負担を和らげてくれる柔軟さが必要になってきます!
「関節が柔らかい」や「関節が硬い」と言われたことはあるかと思いますが、時間をかけて慣れさせて可動範囲を大きくすることはできますので、ストレッチを日々行い「関節が柔らかい」と言われるようになりましょう!
さて、今回は関節の基本的な構造をお話ししました。
何気なく普段曲げ伸ばししている関節では様々な要素が運動の手助けをしているんですね。
では今度は関節にはどんな種類があるのか、関節によって異なる特徴をお話していきたいと思います!